10月30日恒例の芋煮会を開催しました。今年は、京都市右京区京北を訪れました。8時半に京都駅に集合。秋の1日を過ごすのにぴったりな秋晴れに恵まれ、ワクワク感を隠せない感じでした。京都駅からバスで1時間。バスの中では、恒例の近況報告、ゲームなどを行い、あっという間に到着しました。
まず訪れたのが、「京都北山杉の里総合センター」です。ここは、北山杉・北山丸太の生産地である北山林業地域の振興を目的にオープンした施設です。施設の休館日を返上して、受け入れていただきました。中に入ると、北山杉にまつわる製品や小物が販売されており、ほのかに木の香りがしました。研修室に入り、ガイドの松本さんから北山杉の説明をしていただきました。
北山杉は、室町時代応永年間(1394年~1427年)頃から作り始められ、北山杉の皮を剥き、加工して作られる北山丸太は茶の湯文化を支える建築用材と使われました。今日まで600年の歴史を刻んできた京都自慢の伝統工芸品の北山杉と北山丸太は曲げ性能に優れていることに加え、木の肌や光沢、模様を楽しめるインテリア素材としての機能があることから重宝されているそうです。
北山杉が他の杉と一番違う点は、枝を打ち落とし成長を止めてしまうことだそうです。枝葉で光合成をさせて、太らずに引き締まらせて、年輪を止め、それにより、乾燥させても割れや変形することを避けることができるそうです。乾燥して半分くらいの重さにして長く製品として使えるようにするのだそうです。
明治時代には天然の模様 がある杉が出てきて、枝を切り取り挿木をして、その種を残してき たそうです。 天然絞りがあるもの、ちりめん絞りが あるもの、波型あるものなど、丸太にも数種類あ るそうで、私たちは、その種類に実際に触れさせていただきました。
挿木をして種を残したり、枝を打ち落として引き締まったボディにしたり、切れ目を入れ乾燥を防いだりと、人々が手をかけ育てきたことで質の高い製材を作り続けてこられたのだと思いました。次に、外の倉庫に移動して、丸太の皮剥きを行いました。道具を使って丸太に並行にして皮を削ぐ作業はなかなかできない体験です。子どもたちから大人の方までみ んなが楽しそうでした。皮が削がれて木がツルツルになっていくとそのスムーズな感覚が嬉しく、丸太に愛着が生まれました。
最後に、北山杉ツアーに出かけました。大杉があるという北区中川の八幡宮社へ。この大杉の枝を挿木して北山杉を継承してきたそうです。神社の境内にあるその原木は空まで一直線に伸びていて特別なオーラを放っていました。
私たちは、その木に触れそのエネルギーをいただき、北山杉の長い歴史を感じました。八幡宮社を後にして、約20分、山の小径を上り北山台杉を見にいきました。北山台杉は、小径の丸太を生産する為に1本の台木から数本から数十本の幹を成長させた杉だそうです。なんとも不思議な形で、その姿が珍しく、私たちは説明を聞きながら、何度も眺めたり、写真を撮ったり、木の周りを駆け回ったり、台杉と戯れながら時間を過ごしました。北山杉ツアーが終わると、芋煮をするため、京北森林公園に向かいました。 到着するといなや、申し合わせたように各自がポジションについて作業を始めました。
火起こし、ご飯炊き、サラダとBBQの準備、材料洗い、芋煮温めなど皆で黙々と作業開始。焚き木が使えず薪だけの火起こしは難しく、火が安定するまで、30分ほどかかりました。その間、用意した芋煮を温めていただきながら作業。次第にリラックスしておしゃべりしながら楽しく調理準備。傍で黙々と火起こし班は頑張り、とうとう、火がついて安定。早速、焼きそばや野菜と肉を焼くことができるようになりました。
大人の参加者が食事の準備をしている間、子どもたちは、公園内で遊具で遊んだり、ゲームをして遊びながら待っていました。食事の用意が完了!新潟の魚沼産のコシヒカリの炊き立てのご飯、野菜とお肉たっぷりの焼きそば、トマトいっぱいサラダ、お 肉と野菜のバーベキューを皆で分けないながら美味しくいただ きました。火の調整が必要な火起こし班は、火の周りを離れず、火を見ながら食事。BBQ後半にはホイルにジャガイモを巻いて、火の中に投入。ホクホクのベイクドポテトができました!
皆で美味しいものを一緒に作っていただき、子どもたちは自然の中で思いっきり遊び、森林公園の時間はあっという間に過ぎていきました。
芋煮会の後は、常照皇寺と桂川の河原に立ち寄りました。北山杉の生えている山が見え、川が流れ、広々として空間が気持ちいい河原でのんびりと最後の時間を過ごしました。川は透き通っていて、見るからに、綺麗な水。そこで、ひとり、ふたりと靴を脱ぎ始め、子どもたちも大人も素足で川に入りました。ヒヤッとするけれど気持ちいい。 心が洗われるようでした。子どもたちは水の中ではしゃ ぎながら遊び、更にリフレッシュすることができたようです。河原を歩きながら「来年は河原で芋煮したいね」 と。。。気が早い。もう来年の芋煮会の話です。。
帰りに京北の道の駅「ウッディ京北」に立ち寄り、京北 の野菜や名産品をお土産に購入しました。新鮮な野菜や 果物、手作りこんにゃく、納豆もち、木工品、、京北の産物 をおうちでもしばらく楽しめそうです。
帰りのバスの中では、1日を振り返り、感想を述べあっ ている内に、京都駅に到着。次の再会を約束して別れる参加者の方達。ふるさとから離れていてもこのように集まり、毎年、芋煮会ができる仲間がいることを嬉しく思います。また来年も、来年は河原での芋煮会ができるように願っています。「来年は、“芋煮会チーム”を結成してみんなで準備しよう」との声もあり、今から、来年の芋煮会は始動しているかのようです。