キャリアを考える
今月よりシリーズでキャリアについて書かせて頂きます。2級キャリアコンサルタント技能士田中晶子です。まず、「キャリア」と聞くと、皆さんどのようなことを思い浮かべられますか?
経験した仕事、国家公務員の名称、馬車等が浮かんで来ますが、キャリアは「人生」そのものです。私達が産まれて人生を終える迄がその人のキャリアです。この考え方をライフキャリアと言います。スーパー(米)が提唱しました。
人生を変化するステージとすると、その上で私達は変化する役割を演じています。幼少期は子供という役割を、成人になると子供、学生、市民、就職して更に労働者となります。結婚すれば、子供、市民、労働者、家庭人、余暇人、親が亡くなれば子供の役割は消失します。その他にも社会で様々な役割を演じている訳なのですが、その人が人生で今、どのような役割を持ち、どのように上手く演じられるか・・が自分の人生を上手く生きていると考えます。
6月、会合で北海道に行くことがあり、足を延ばして富良野を訪れました。宿泊した小さなペンションのオーナーは東京から10年前にひとりで北海道に移り住んだ60代の女性でした。東京の家を整理して移り住んだ理由をたずねると「馬と暮らす生活がしたかった」です。なんと無謀なことをと思いました。生活するためには収入を得なければなりません。僅かな年金だけでは自給自足の生活でも大変です。近くに雇ってくれるような企業も見当たりません、広大な畑があるのみです。彼女曰く、ここで生活して行くには自分に何が出来るかを考えて生きて行かなければならない、すぐに住めそうな中古の家を買いペンションを始めたと言うことでした。
若い頃から海外で生活してきた知人達が段ボール数個に、何十年もの海外生活を整理して帰国してきています。人生のステージを変える決断をした人達です。人生の様々な役割を終え母国で市民という役割を選んだ人達です。
夢を叶えるためのキャリアチェンジ、自分の終末期を設計したキャリアチェンジと皆さんそれぞれのキャリア設計です。
でも、災害で被災してやむなく人生の舞台や役割が変わってしまった、変わざるを得なかった皆さんが、急な予想もしなかった出来事にどのように自分のステージを見つけ、役割を演じて(生活していく)いくのかもキャリアです。
今、ご自分がどのようなステージにいて、どのような役割が与えられていて、どう演じて行くのかを考えることが「キャリア」を考えることになります。
– WRITER-
田中晶子
資格
シニア産業カウンセラー
2級キャリアコンサルタント技能士
現職
企業、官公庁のカウンセラー、キャリアコンサルタント、研修講師独立行政法人産業保健総合支援センター、メンタルヘルス促進員
講師経験
若年者自立支援、21世紀財団キャリアコンサルタント、滋賀男女参画センターキャリアコンサルタント、THP支援専門家等
東京出身夫の転勤で30年前に京都に移住、NHKのニュースで、日本で初めて戸建てコーポラティブを造ることを知り参加、現在、大津市在住。
キャリア
自宅で英語教室主宰、老舗旅館で管理職と同時進行でカウンセラー資格を取り転職
社会活動経験
ガールスカウトリーダー(京都)、異文化NGO(南米)、滋賀女性リーダーの会
AginginPlace(住み慣れた場所で美しく暮らす)会実行メンバー