第4回目は郡山を訪れました。郡山駅に集合してバスで向かった先は、駅から車で30分西に行った逢瀬にある「ふくしま逢瀬ワイナリー」でした。
駅を離れると道路に 積もった雪の量が多くなり、ワイナリーに着くと、一面雪が積もっ ていました。子どもたちは大喜び。まずは、 ワイナリーに入り、お話を聞きました。2015年に支援を受けてオープンしたワイナリー。将来は独立を目指して運営されています。美味しい福島の果物を使ったリキュールを作りたいという思いを実現するために、これまで様々な取り組みをされてきました。1000ℓ用と2000ℓ用の醸造タンク26本(総容量40000ℓ)が並び、ブランデーなどを造るためにドイツ製の蒸留機を備えています。 2018年夏から郡山産のぶどうを使ったワインを仕込み、これから販売予定です。スタッフの方も心待ちにしているようです。発売が楽しみですね。
これまでの経緯とワイン作りに関して説明していただいたあとは、試飲。福島県産の桃「あかつき」を使った桃のリキュール、福島県産の梨「幸水」と「豊水」を使った梨のりんごのリキュール、福島県産の林檎「ふじ」を使ったりんごのリキュール等、フルーツブランデーベースのリキュールを全て飲み比べさせていただきました。甘くて飲み心地が良く、アルコールが苦手な人向きなテイストでした。他にも、地元で採れたイチゴを凍らせた掻き氷をいただきました。冬でも美味しい掻き氷。イチゴのすっぱさが印象的でした。
試飲や試食の後は、子どもたちは、雪遊び。雪だるま作り、雪合戦。寒い、冷たいはお構いなし。初めて出会う子どもたちもあっという間に打ち解けました。
ワイナリーの次に向かったのは、開成の「ベストテーブル」というイタリアンレストランです。ここでは郡山産のオーガニックのブランド野菜が売り。スタッフが農家に出向いて野菜の生育をチェックしたり、野菜のおいしさにこだわりながらメニューを考えていました。前菜のサラダは色とりどりの野菜、珍しい地元のオーガニック野菜のオンパレード。ドレッシングも手作りです。
具たくさんの野菜が入ったスープ、そして、美味しいパスタが続きます。ペストソースも手作りでコクがあり、美味しくいただきました。最後は、自家製プリンとコーヒーで締めくくりました。プリンも地元の卵をつかった手作りでした。郡山のオーガニッ クのブランド野菜、手作り、 食材選びのこだわり、自信 を持って提供されている 姿がとても印象的でした。 とにかく野菜が美味しい! 地元の方にも大人気の理由 がわかりました。参加者の方々にも喜んでいただきました。
最後に、ツアーの目玉、柏屋の薄皮饅頭作りに挑戦しました。薄皮饅頭といえば、福島県民なら誰でも知っているポピュラーな和菓子ですが、実は日本3大饅頭の一つであったこと、166年の歴史があることなど知りませんでした。
私たちの担当は、饅頭製造歴20年、柏屋で饅頭作りナンバー1の饅頭マスター。皆お揃いの法被を着て、準備万端。 餡子の取り方、皮の伸ばし方、餡を入れながら皮を包むコツを習いました。皮が柔らかいのでなかなかうまく包めなかったりしましたが、餡を適度に抑えながら入れ、回しながら包み完成させていく作業は面白く、皆さん真剣に取り組んでおられました。蒸しあがった饅頭は一つは試食して、後はお土産に。今の時期は、収穫されたばかりの小豆を炊いているので、普段の餡よりもみずみずしいとのこと。試食してみると普段の饅頭よりも餡がさっぱりして食べやすく感じました。最後に、店の裏側にある縁結びの神様の「萬頭神社」にお参り、饅頭の形をした自然石「願掛け萬寿石」に祈願しました。
地元の果物にこだわったワイン造りをされているワイナリー、郡山ブランドのオーガニック野菜にこだわったイタリアンレストラン、伝統の味を守りながら地域に根ざした和菓子屋。 皆、地元福島を愛し、 福島とともに夢を実 現している姿が心に 残りました。多くは 語らないけれど、熱 い想いを持っておら れるのがひしひし伝 わってきました。震災から8年目を迎えようとしている今、「買って応援」ではなく、福島の強みを武器に自社のブランド力を高め、製品作りに取り組む姿を見ることができ、とても励まされました。これからも福島を盛り上げる役割を担い続けていただきたいと思いました。