第8回 キャリアを考える
田中晶子
シニア産業カウンセラー/ 2級キャリアコンサルタント技能士キャリアの話7回
人生の中でそれぞれの年代での役割があり、その中で仕事を選択、実行することがその人の生き方であり、その人らしさを表現していることを最初の頃に書かせていただきました。仕事、生き方に出会う機会は偶然ではあるけれどその人の中で偶然を自分の人生に取り入れる準備が出来ているからこそ世の中にある沢山の情報の中からキャッチできるのだと「偶発的経験」をテーマに書きました。与えられた仕事の中で自分らしさを発揮したり、自分らしさが発見できたり、あるいは自分を表現するのに仕事をするということもあります。女性の起業支援を何年かしていました。好きで趣味として長年していたフラワーデザインを仕事としてすることにためらっていた女性がいました。作品はとても素晴らしく見る人を和ませてくれました。私はこの方の作品をぜひ多くの皆さんに見ていただきたいと思ったのですが、専業主婦の彼女は自分の作ったもので金銭をもらうことにはかなり抵抗がありました。起業相談に来られているのに金銭をもらうことに慣れていない彼女に私は「お金をもらおうと思うと抵抗があるけれど、あなたの作品をみて感動して買ってくれると思ったらどんな感じですか?」と問いかけました。
自宅の玄関に飾っておいたリースを通りがかりの人が気に入って譲って欲しいと買って行かれたそうです。 自分のやりたいことで収入を得るのはなかなか大変なことです。自分では良いと思った物が必ずしも他の人が気に入ってくれるとは限りません。名前が売れて○○さんの作品と言うだけで作品に価値がつくようになれば別ですが、そこに行くまで皆さん並々ならぬご苦労をされています。起業の難しさは100も承知ですが、私は女性に起業を勧めます。
生活のために今は安定した収入が必要でそんな冒険は出来ないという方も、専業主婦で仕事をすることは考えたことがないという方も身の回りにある物から「これは新商品にならない?」「こんな店があったらいいのに」「ここを変えてみたらどうだろう?」という見方で日常を過ごしてみませんか?ロールケーキが好きでついにロールケーキだけのお店を自宅で開店した方がいます。自分が食べることからの発想の転換です。
イラストが得意で白いTシャツを仕入れ、自分でTシャツにイラストを描いてWEB上の店を開店しました。自分の子供とペアで着れるTシャツが欲しくて作ってしまいました。いづれも起業の相談に来られた方です。何かやってみたいけど何も計画はないと相談されました。最初から皮算用をすると焦って失敗するかもしれません。最初は楽しんで、何をしたら身近の皆さんが喜んでくれるのかを考えてみることから初めてみましょう。
日常に興味をもって生活する、何か新しい発見はないかと思って物事をみると心が元気になります。キャリアアップとは生活の中で気持ち、こころを成長することだと思っています。これからの皆さんの生き方がUPするよう日々、良い変化を起こされることを願っています。 長い間 お読みいただき有り難うございました。