Beautiful World
一年が経つのは早いですね。五山の送り火を迎えて、つくづくそう感じていました。
今年はお盆の頃には珍しく、各地で大雨が降りました。自然災害は人知を超えたものがあるといつも思います。もしものために、日頃の備えぐらいはしておきたいですね。
ここ数日長い雨が続いていますが、このように雨が降ってばかりいると太陽が恋しくなります。まだまだサンサンと照る夏の太陽です。そして、青い空、青い海。まさに夏の代名詞です。
今日はその「青」の話をしようと思います。仕事柄、たくさんの人と出会って対談させていただくことも多いのですが、つい先日のことです。
「青」を仕事にしている、という方とお会いしました。青事師。青を仕事にされている方です。どういうこと?と思うでしょう。
通称青さんという男性の方なんですが、本当の話です。
「青」が好きで、好き過ぎて、ついにその「好き」がそのまま仕事になってしまったという方です。「青」のことを書いて発信し続けていたら、あのANAから仕事の依頼がきたほどです。
その青さんから「青」という字について聞きました。「青」という字は、「主」に「月」と書きます。上の部分の「主」はその人であり、自分自身に置き替えられます。つまり、「青」とは、主(その人)から発せられる光(やエネルギー)を月の如く受けて反射する(伝えている)状態のことを言うのだそうです。もっとわかりやすく言うと、その人自身の光を、身体がそのまま表現している状態なんですね。まさにその人のあるべき、ありのままの姿ですね。ちなみに「誠実」や「素直」という言葉を色でイメージすると、「青」が浮かぶ人が多いのもその表れなんだそうです。確かに青い空を見上げたり、真っ青な海を眺めていると、何となく「素直」な気持ちになっていくような気がしますよね。そんな意味から、自分が心からやりたいことや、役目に真っ直ぐに生きることを「青に生きる」と言い換えることができるのだと教えていただきました。
この話を聞いて真っ先に思ったことは、自分の「好きなこと」を見極めておくと、自分のやりたいことが見えやすくなる、ということです。そして何より、「好きなこと」は仕事になる、という事実です。
青さんは、ただ「青」が好きで、好きなことが仕事になりました。どうでしょうか。「得意なこと」は仕事になりそうですし想像に難くないと思いますが、「好き」が仕事になる。好きなだけで、ほんとうに仕事になるのだろうか?そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、得意と好き、この二つについて、ちょっと考えてみましょう。
得意(なこと)と好き(なこと)はイコールでしょうが?私は必ずしも得意なことが好きなこととは限らないと思うのです。たとえば、工作が得意な子がいて、ほめると嬉しそうにしているから将来ものづくりが向いている、その道がいい、と思ってすすめていたら実は絵を描くことが好きだった、みたいなことです。得意なことは、人から褒められやすく、褒められることは嬉しいので、ついついそれを好きだと思い込むことが起こりがちなのです。
もちろん得意なことは、素晴らしいことだと思います。可能性もそこから多く見出すこともできます。でも。それはそれとして、純粋に自分の好きなことは何なのか、それを知っておくことは、とても大切なことだと感じています。なぜなら、好きなことは「本音」だからです。自分の本当の声なのです。得意なことやほめられていることが、自分の好きなことなのだと思い込まずに、本当に好きなことは何だろう?と問いかけて向き合ってみると、案外自分のやりたいことが見えてくるかもしれないですね。そして、それが自分らしく、ありのままに生きることにつながっていくのではないでしょうか。これが青さんの言う、「青に生きる」ということなのだと思います。
私たちが見ている、青い空や青い海は、大きな大きな姿で、そう生きるように伝えてくれているのかもしれないですね。
サリー
ラジオパーソナリティ・朗読家・司会・ボイスレッスンコーチ
FMおとくに862 「サリーのコトバのチカラでグッドモーニング」担当