あたたかい食卓
私たちは、食べ物を食することで幸せも食しています。楽しく暮らす為に健康でいたいと思いますが、健康オタクではなく、お料理生活スタイルの日常が、健康につながるのです。
「味は人なり」と言いますが、頭で食べがちの私たち。実は、カロリー栄養計算された栄養食より、自然や作り手の人の味わいで楽しむ方が実は身体にも良いのです。食材の生産地域、気候風土の自然の恵み旬の食材を活かし、口に入るまでひと手間かけたお料理のプロセスが、食べる時の幸せな味わいにつながります。ですので、旬の素材選びと心を込めた食事を準備することを心がけましょう。
秋の食材といえば、柿。秋から冬に向かう中で、毎日旬の味を感じていた時代を思い出します。生まれ育ち、約30年間住んでいた大阪の自宅の庭には「柿の木」があリました。紅葉と並んで柿の実の色付きは、秋たけなわを告げてくれました。柿の実ができ、徐々に“柿色”に染まり、完熟までの間、同じ品種の柿がいろいろな味わいを楽しませてくれました。固めで取って食べるおいしさあり。鳥が来て少しつつく1番おいしい旬のタイミングあり。中でも、熟して木から落ちるころ、柿の皮器にスプーンで食べる時、これがなんとも味わい深く、今でも幼少期の思い出として残っています。
旬の素材は、とれたてを味わっても、また保存して長くその味を楽しむこともできます。味がみなぎる時に冷凍や加工することにより長くおいしさを閉じ込められることができます。柿を生でいただくのもよし、調理していただくもよし、そして、干し柿などにして長期保存していただくのもよし。保存食には先人の知恵が凝縮されています。
今月は、熟した柿を使ったレシピをご紹介します。簡単なのでぜひご家庭でお試しください。
柿ようかん
材料(4人分)
・柿(よく熟した柔らかいもの)400g
・棒寒天 2/3本
・水 1.5カップ
・砂糖 200g
作り方
①柿は種を取り裏ごしにする。
②寒天はきれいに洗って固く絞り、細かくちぎって分量の水に約1時間漬けて戻し、中火にかけて煮とかします。
③寒天が完全に解けたら砂糖を加えて溶かし、①の柿を加え、木じゃくしで混ぜながら中火で4~5 分煮ます。
④③を火からおろし、鍋底に水をつけて混ぜながら粗熱を取り、内側を水で濡らした流し箱に入れ、冷やし固めます。完全に固まってから抜き出して切り分けます。
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9月11日開催の季節の料理教室でこのレシピを初め数種類の秋の食材を使った料理のデモンストレーションをしますので、ぜひご参加ください。
日程 2021年9月11日(土)15時半~17時半
場所 きのわ
お料理プロデューサー 土井 敏久
日本の家庭料理・郷土料理の地域の食生活文化向上を目指し実
践研究型教育プログラムや食生活文化ビジネスのプラット
フォームを主宰。店舗(CSC)展開・商品リサーチ販売・交流勉強
会・提携連携会議・女性の産業雇用創造を行う。