本多先生の「子育て&自分育て」コラム4
吾妻山がうっすらと雪化粧し始めています。
私が大阪の小学校に通った6年の間で1度だけ雪が降ったことがありました。初めての雪に,みんなは大騒ぎ。授業中にも関わらず,窓際に駆け寄って雪を眺めていました。
「屋上に行くぞ」という担任の先生の指示に階段を駆け上がり,雪を食べたり雪の冷たさを体感したり,別世界にでも迷い込んだような特別な時間を過ごしました。
福島に嫁ぎ,教師になって一年目。初めての雪に大騒ぎしている私を,子どもたちは「先生,どうしてはしゃいでるの?」と言いながら驚いたような目で眺めていました。そうですよね。福島で育った子どもたちにとっては見慣れた光景だったのでしょうから。
環境が変わると,戸惑うことがたくさんあります。どうすれば良いのか困ったり悩んだりすることも。自分の言動がすんなり受け入れてもらえなかったり不思議な顔をされたりすると自信を失ってしまうことさえあります。
もし,そのような状況が6年以上続いたとしたら,どれほど辛いでしょう。
最近,そのような想いをし続けていた数名の中学生・高校生と出会いました。自分に自信を無くして不登校になってしまった子,不安感から抜毛してしまう子,言葉が出なくなってしまった子…。
この子たちは何も悪いことをしていないのに,と切なくなってしまいました。「何か悪いことをしたわけではないのに友だちが急に話をしてくれなくなった。私の何がだめなんだろう。」「一生懸命勉強しているのに,みんなについていけない。もう学校に行っても無駄。」「僕が話をするとみんな笑う。しゃべるのが怖くなった。」等々。
一人ひとり困っている内容は異なります。しかし,子どもたちに共通していることが一つあります。
それは「自分に自信がない」ということです。「自己肯定感の低下」です。大きな環境の変化によって自己肯定感が低下させた子どもたちが苦しみ続けているようです。
皆さんのお子さんはいかがでしょうか?
一度お子さんに「もし自分に点数をつけるとしたら何点?」って聞いてみて下さい。もし,「0点」「つけられない」と答えた時には子どもの様子をよく見てあげましょう。辛い思いをし続けているのかもしれません。