11月18日(日)京都府宮津市の丹後由良へ生産者交流ツアーに行きました。お天気にも恵まれ、紅葉シーズンの日曜日。バスの車窓からは、木々が色づく様が見えてバスの道中も楽しむことができました。
京都駅から1時間半余りで宮津に到着し、まずは岸田秀農園さんへ。道からすぐのみかん農園に案内されました。岸田さんのみかんは日本海では北限のみかんとされ、無農薬で大切に育てられています。今年は、懐柔被害に遭われ、例年よりもみかんの数が少ないそうですが、太陽の日差しを浴びておいしそうなみかんがたわわに実っていました。
いただくと、酸っぱくて、酸っぱいみかんが好きな方はたまらない様子。岸田さん曰く、取れたてのみかんは酸っぱいので1週間ほど置くと甘くなると。私たち皆個性があるように、同じ木になっているみかんでも、一つ一つ大きさも固さも味も異なり、甘いみかん、酸っぱいみかん、甘すっぱいみかんと、いろんな味を楽しむことができました。たくさんいただいたのちに、カゴにたくさん詰めて、おみやげとして持ち帰りました。
お昼になり、伊根の地元の方々の作ったお弁当を丹後由良駅前にある「安寿亭」でいただきました。安寿と厨子王の物語にちなんだ名前で、地域の拠点になっています。そこで、町おこしのために始めたオリーブ作りについての話を伺い、オリーブ茶をいただきました。 大人気の足湯にも浸かりました。避難者の方にも「とてもポカポカして気持ち良かった」と、大人気でした。足湯の隣に隣接している北前船資料館で北前船の歴史についても伺いました。北前船は、江戸中期から明治時代にかけて日本海側地域と大阪・瀬戸内地域を結んだ商船。それを中心に栄えた丹後。当時の地図、絵、資料や模型を見ながら、航海の苦労話などを伺っていると、400年前にタイムスリップしたかのような錯覚にも陥りました。みなさんも熱心に聞いておられました。
次に、丹後ちりめんの丸仙を訪れました。丸仙さんは京都府北部にある丹後地方でおよそ300年前から続く “丹後ちりめん” を50年以上にわたり織り続けています。
丹後ちりめんとは、経糸(たていと)に撚りのない生糸、緯糸(よこいと)に強い撚りをかけた生糸を交互に織り込んで生地にし、精練することによって糸が収縮し、緯糸の撚りがもどり、生地全面に細かい凸凹状の「シボ」がでた織物です。工場は休日でお休みでしたが、ここにしかない強い撚りをかける昔ながらの八丁撚糸機を見せていただいた後、レトロなお家の中で休ませていただきました。とても懐かしい気持ちになれる空間でした。代表の安田さんにちりめんについてや商品についても伺いました。
最後に、地元の川「野田川」にいき、鮭の遡上を見学。産卵の時期が終わり頃でしたが、つがいの鮭の遡上する姿を見ることができました。自分の生まれた川に戻り産卵する鮭。遡上して産卵する場所を見つけ、メスは産卵後1週間ほどで力尽きて命を終える鮭。そのあと、孵化した稚魚はどんどん成長し、大人になるまで約1万キロほど回遊するそうですが、成熟期に近づくに連れて自分の生まれた川を目指して帰っていくそうです。私たちもふるさとに戻りたいと思うのは、本能なのかもしれません。
宮津の歴史、文化や自然に触れながら、地元の方との交流、避難者通しの交流も図れた充実した内容でした。参加された方からは、「とても興味深く贅沢なツアーでした」「初めてのみかん狩りが楽しかった」「ふるさとへ帰ったような懐かしい風景が見れて安らげた」との感想をいただきました。
これからも避難者通しの交流を図りながらも、地元民との交流でき、地域の文化や歴史に触れるツアーを企画したいと思います。またのご参加をお待ちしています。