2017年2回目の「ふるさととつながろうツアー」を10月8日(日曜日)に実施しました。前日までの雨が止み、気持ちいい秋晴れの日に、福島駅の東口で日曜日に開催されているグッディマーケットを訪れました。グッデイマーケットは地元の生産者がこだわりの商品を販売し、消費者と目に見える関係を作るために始められたマルシェです。今回のツアーのナビゲーターはグッディマーケットの副代表であり、果樹農家の佐藤さんです。マーケットについて伺い、見学しました。マルシェには、野菜、果物、乾物、漬物、加工品などの品が販売されていました。
マルシェの見学後は、福島市笹木野にある佐藤さんのブドウ畑に移動しました。ブドウ棚の下にプラスチックケースの椅子を並べて皆輪になって腰掛けました。時折吹く風が涼しく、とても気持ちの良い時間でした。
自家製のりんごジュースで喉を潤してから、良く実ったぶどうのつるを丁寧に切り、ぶどうを収穫し試食しました。シャインマスカットとビオーネをいただきながら、佐藤さんの話を伺いました。
佐藤さんは、震災後、東京から戻り、果樹園を営んでいた両親の仕事を引き継ぎ、ぶどう作りを始めたそうです。風評被害に遭い、福島県産というだけでなかなか売れない苦労を味わいながら、生産物の放射能測定をして消費者に安心して提供しようと努力をし続けたそうです。セシウムが土に吸着して作物が吸い込まないことや測定してもセシウムが検出されないことから、現在では安心して消費者に提供できるようになったと伺いました。
6年間佐藤さんの育てたぶどう畑は管理が行き届いていました。ぶどうはどれも甘くて美味しい。ぶどうの甘さと酸味の度合いが房によって少しずつ違うことを発見し、一粒一粒噛み締めながらいただきました。甘いぶどうをお腹いっぱいなるまで堪能し、最後にシャインマスカットのお土産もいただきました。
今回参加された方は県南、県北、浜通りの避難者の方々です。初めての参加者の方もおられましたが、すぐに打ち解け、同郷人の絆を深めることができました。
「福島の風景に懐かしさを感じた」と感想を述べる参加者もおられました。山、田んぼ、畦道、本当の空がある福島の風景にしばし癒されたことでしょう。懐かしい福島の風景を思い出しながらこれからも避難先で頑張ってほしいと願っております。また恋しくなったら「ふるさととつながろうツアー」に参加されて思いっきりふるさとを感じていただければ幸いです。ご参加ありがとうございました。