全国にひまわりの種を植えて、その種を福島に送ってひまわり油にする「ひまわりプロジェクト」の子ども視察団—ひまわり大使—が、京都を訪れました。
ひまわり大使が初めに訪れたのは京丹後市の蒲井地区でした。蒲井地区の住民は、原発反対を訴えて原発立地を回避してきたので、2009年に住民の守り抜いた自然がユネスコの世界遺産に登録された時は、喜びもひと塩だったそうです。
まずは、町の祭りに参加しながら地域の人々と交流を図り、祭りのステージに立ち震災の体験を話しました。地元の人たちは熱心に子どもたちの話を聞いていました。中には、うなずきながら涙を流している人の姿も見られました。
現在、蒲井地区に住む子どもたちは小学生、中学生、高校生がそれぞれ1名ずつ。限界集落という問題を抱えながら、多くの人々に町に来てもらおうと様々な取り組みをしています。
1日目の宿の「風蘭の館」は廃校を改修してできた宿泊施設です。学校の面影が残る広間と教室を改修してできた客室があり、昼間は食事処として地元産のそば粉で打った蕎麦を提供しています。施設の前では、獲れたての魚をその場でいただける海鮮バーベキューができ、冬には牡蠣小屋として地元の牡蠣を味わえる人気のスポットになっています。夏には、海水浴やシーカヤークの穴場スポットとして観光客が集リます。地元の良さを発信するようになってから訪れる人も徐々に多くなっているそうです。
2日目はビーチ清掃のお手伝い。潮に乗って運ばれるゴミをみんなで協力して拾い、その代わりにシーカヤークのやり方を教えてもらいました。ほとんどの子どもたちが震災以来ふるさとの海で泳いでいないことから大喜び。海水浴やスノーケリングやカヤーキングをして、日本海の真っ青な海を思いっきり楽しんだ後は、宮津市与謝野町に移動して、町長始め町の人たちに震災の話を発表しました。与謝野町は、福井県の多い原発から30キロ圏内にあることから、原発に関しての関心が高いのです。「福島のことと思わないでください。皆さんの身にも起こることです」という子どもたちのメッセージは多くの人の胸に届いたはずです。
与謝野町では、昨年同様、ミカン農家さんの間引き作業を手伝わせてもらいました。間引きされたみかんは絞られクエン酸たっぷりで疲労回復に効く青みかん原液ジュースになります。今年は、鹿にみかんの芽の多くが食べられてしまい、間引きできたみかんの量は半分以下でした。以前ならただ捨てていた間引いたみかんを摘果ジュースとして商品化したのも町の人のアイデア。「みかん育てるのも簡単じゃないんだな。」と、子どもたち。とてもいい経験になりました。
福島から京丹後にひまわり大使として来た子どもたち。海で思いっきり遊んで、地元の人と交流し、限界集落の取り組みや地域おこしの取り組みを学んだあっという間の3日間。次は京都市、兵庫県篠山市へ向かいます。(続く)