8月12日&14日に福島市と郡山市で「ふるさとつながろうツアー」を実施し、30名余りの避難者の方に参加していただきました。
12日には、福島市佐原にある「ささき牧場カフェ」を訪れました。まずは、牧場を見学し息子さんとお母様から話を伺いました。震災当時、50日間、牛乳を絞っても毎日捨てなければならなったこと、放射線の影響と地震で放牧地が壊れて修理ができていないことからそれ以来牛を放牧していないこと、干し草が入手できるのか不安だったことから牛に与える餌の量を減らし凌いだこと、北海道から干し草を支援で送っていただいたおかげで牛に国産の干し草を与えられ続けていること、そして、やっと、自分のところで作った干し草を牛に与えられようになったことなどをお聞きしました。
ささきさんが牧場を始めた頃には300近くあった牧場が震災の影響もあり10数軒に。続けてこられているのは、「多くの支えがあったからだ」と振り返ります。ささきさんの牧場では管理できる規模の経営に徹し、販売も直売か配送することにより、消費者との目に見える関係を大切にしています。昨年オープンした隣接のカフェでは、搾りたての牛乳とその牛乳で作ったソフトクリームや地場のわさび菜入りやトマトのソフトクリームがいただけます。牛乳は新鮮で濃く、ソフトクリームは「また食べたい」と好評でした。
14日は、須賀川市の北欧ビンテージカフェかもめ舎を訪ねました。オーナーのIさんが京都に避難していた際に知り合った避難者の方が多く参加したこともあり、終始和んだ雰囲気の交流会でした。カフェタイムでは、かもめ舎特製のかき氷を提供していただきました。山盛りのふわふわの氷の上にかかった特製シロップがおいしく、参加者全員が綺麗に平らげました。カフェタイムのあとは、オーナーからカフェを始めるきっかけのお話を伺いました。参加者からは、お店に関してや帰還してきてからの福島での生活に関しての質問が出ました。「素人だからまだまだです。これからなんです。」と語るIさん。京都に移住するつもりで福島を離れたが、迷いながらも故郷の須賀川でカフェをオープンするために帰還。当時の仲間の前で、店について話すIさんの姿から「福島で頑張って生きていく」という決意が感じられました。
2日間のふるさととつながろうツアーを通じて、震災の体験を共有できる機会を持っていただきました。今回は京都、兵庫、大阪、長野に避難者されている方々が参加され、短い時間でしたが楽しんでいただけました。ご参加ありがとうございました。
次回は年末年始の開催です。ふるさと福島の新しい発見ができて、県民同士の繋がりができる有意義なツアーを企画いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。