食育コラム 〜春の伝統料理は、すばらしい! 春の養生食〜
春を少しずつ感じる季節となりました。皆様はどんな時に「春」を感じてますか?服装が薄手になったり、花粉でくしゃみをしたり、ニュースで桜前線情報など、寒いピンと張りつめた空気がゆるみ、春の穏やかな陽気が満ちてきますね。草木は芽吹き、地中からは様々な虫たちが顔を出してきます。春は生き物たちの命が生き生きと育まれ、生命力あふれる季節。
冬の間、体は体温やエネルギーを逃さないようにできるだけ活動を抑え、栄養をため込んでいます。その分、余分な脂肪や老廃物、有害物質などもたまりやすくなっています。 そこで、新芽から青菜へと草木がぐんぐん成長していくように、春は人間も活動的になる季節です。そして、高まった気を発散するのが春の季節ですので、皆さんも何か新しいことを始める良い季節です!
春は体の上部に症状が現れやすい
春は陽の気にともなって血も高ぶるようになります。この時、先頭をきって働くのが「肝」です。東洋医学でとらえる肝にもっとも重要な働きは、『血液を貯蔵し、調整する』ことです。前文でお伝えしたように、冬の間ため込んだ不要なものを解毒するために働き、春はダメージを受けやすくなります。そのため頭痛、鼻づまり、のどの痛み、まぶたのむくみ、めまい、ふらつきなど、主に体の上部、顔や頭に症状が現れやすくなります。
「肝」を補う“酸っぱい“食材を積極的に食べよう!
春に高ぶり、疲弊した「肝」の働きを正常に戻し、補うのが酸味の食材です。酸味とは“酸っぱい味“。陰陽五行理論では、肝・胆をはじめ、目や腱の働きを補い、滋養します。また、疲れたとき酸っぱいものを口にすると、疲労感が和らぎます。これは酸味のクエン酸が脂肪や乳酸を分解、エネルギーを生み出すためです。 春には積極的に酸っぱい食材をいただくようにしましょう。
酸っぱい食材▶︎梅干し、酸、かぼす、レモン、すもも、さくらんぼ、りんご、ミントなど。
おすすめレシピ
〜青菜の和え物レモン風味〜
材料 ほうれん草…1束 三つ葉…1束 せりまたは豆苗…1袋 塩…少々 レモン…1/2個(果実を絞る、若しくは薄くスライスしてもgood) 醤油またはだし醤油…大さじ1〜2杯
作り方
1.ほうれん草・三つ葉・せり(または豆苗)をサッと茹で、冷水にさらしてざるにあげて水気を絞り、食べやすい大きさに切ります。
2.ボールに調味料を入れ、①を合わせ混ぜます。
布施 元子 先生 プロフィール
調理師・食育指導士・食育トレーナー・健康管理士・ 睡眠推進員京都市北区在中。10歳男児の母。東日本大震災を体 験し『食育』の伝承【食べることは、生きること】を通 して丈夫な身体作りの活動中。