も〜ぉ い〜ぃ か〜ぃ?8
家族が増えました
福島県は浜通り、富岡町からこんにちは。おかげさまで、 この冬、3人家族から4人家族になりました。50歳過ぎての子育ては大変ですが、よくよく考えてみると、案外いいことも沢山あることに気づきました。20代、30代、40代を思 うがまま、好き勝手に、生きたいように生きていながら、精神的にも経済的に(少しは)成長した晩年に子育てに向き合えること。成人する頃には冥途に近づき、いわゆる「老老介護」の不安が少ないこと。残される15歳年下のカミさん や子どもたちには申し訳なくて詫びのしようもありません が、「吾れ唯、足るを知る」の境地、ただただ感謝の日々です。3月に3歳になる娘・郷(きょう)も、臨月になるころには 「赤ちゃんにおもちゃ貸してあげるね」「これ、赤ちゃんが使うベッド?」と、興味しんしんで話してきたかと思うと、抱きついてきて固まったり食べさせてあげないとごはんを食べなかったりと、小さいながらに葛藤があるようです。超少子高齢化が進む日本の、課題先進地と呼ばれる福島に、こうしてまた一人新しい家族が増えました。どうぞよろしくお願 いします。
運ばれる命
富岡町は東京電力福島第二原子力発電所、いわゆる東電ニエフが立地する町で、原子力災害を起こした東電イチエフもすぐお隣というお土地柄。子育て世帯が少ない分、 逆に子育て支援が手厚い部分もあります。「陣痛が始まったら救急車を使って下さい」と役場の担当の方が根回ししてくださったり、役場の向かいには緊急医療ヘリポートを備えた24時間365日営業の病院があったり。出産をする産婦人科は富岡から車で1時間のいわき市なので、不安は尽きませんでした、だからこそ様々な協力者がいることを有難いと思います。結局、お医者さんの方が「救急車で来られるのはちょっと、、、」と心配で、事前に入院しての出産 を選ぶことになりました。コロナ禍で、立ち合い出産はおろか、退院まで直に母子に触れることも出来ませんでした。代わりにカミさんの入院中、上の娘と二人きりで密に過ごすことができたのは、大事な思い出です。どんなに仕事で 疲れていても、朝8時半までに保育園へ送り、時短勤務で16時に終業してダッシュで保育園へ迎えに行く。買い物して風呂に入れて、食事のあとは絵本を読んで寝かしつけ。ようやく寝た後、洗い物や洗濯の片づけ。命を運び育む大変さ。ほんの少しかもしれませんが、シングルファザーの苦労がわかりました。
困った時のNPO
とにかく育児NPOの情報を調べまくって、利用できるサービスやイベントを利用しました。双葉郡の子育てコミュニティ支援をしている団体「コトハナ」では、こども食堂やこども縁日、冒険遊び場を不定期で開催しています。公営の施設や社会福祉協議会とは違った、手作りででこぼこ感あふれる交流の場です。愚痴を吐き出し悩み事を相談できて、孤立しがちな核家族には救いです。いわき市のNPO「こみゅーんwith助産師」では多様なマタニティプログラムをオンライン、リアルの両方で提供しています。少数制または対面型が多く、個人的な課題にも対応して、至れり尽くせりです。足りないもの、不便なものを数えればキリがあ りません。無いものはアテにせず、生み出せるものは一つず つ実現していく。2017年春の避難指示解除の頃と比べれ ば、昭和から一気に令和の時代になったみたいです。この春にはこども家庭庁も発足しますし、成人年齢も18歳に引き下げられますね。わが子と、地域に暮らす子どもたちにとって、平々凡々でも 笑顔でいられる暮らしを、一歩ずつ実現してゆけますように。今回は双葉郡で活動する子育て支援関係の団体を紹介します。
参考リンク
コトハナ
福島県双葉郡8町村での子育てを応援する当事者団体。こども食堂の運 営やフリーペーパーの発行も。
https://cotohana.net/
こみゅーんwith助産師(NPOこみゅーん)
いわき市を拠点にお産と子育てと女性の健康について専門的なサポー トを提供。双葉郡もゆるくカバー。
https://cw-jyosanshi.com/
シェルパ
双葉郡楢葉町を拠点に障がいのある児童や高齢者向けの居場所づくり、 相談事業を行うNPO。
http://pref-f-svc.org/archives/11257
こころのケアセンターふたば出張所
避難解除した自治体で支援を必要とする高齢者や障がいのある世帯の ための訪問型支援を行うNPO。
https://kokoro-fukushima.org/futaba/futaba_report/
ふたば地域サポートセンター ふたすけ 所長 鈴木 亮
1972年 鎌倉市生まれ 福島県双葉郡富岡町在住