あたたかい食卓
師走は1年の最後の 月。年内に片付けておき たい事が多い中で、 2022年新年を迎える準備の月でもあります。私たち、「土井の家庭料理」では、新年を迎える準備する中で一番大切にするのがお料理生活の日々です。お正月のいろいろな行事がだんだん簡略化されてくるのは、時代の流れなのでしょうが、食事、特にお重詰めは、「土井勝が家庭料理の集大成」になるようにおせち料理を作っています。
元旦の朝は家族揃って祝い膳を囲み、新年のあいさつをします。一同の健康と幸福を祈り、あらたまった気分で新しい年を迎えるわけですから、祝い膳は大切なものと思っています。
食べるものは祝儀肴(とそ肴)、それと中心になるものは、お雑煮と言うことで、決してご馳走ではなくむしろ質素なものです。それだけにかえって、しみじみとしたものを感じさせるお料理になるのです。
伝えたい土井勝の家庭料理、外せないお正月料理です。まずは、香川県出身の土井勝のあん餅雑煮。白味噌仕立てのあん餅雑煮。具材は、あん餅と輪切りにした大根と京人参、 一枚づつ。そして、お餅の上に一文字の青海苔の盛り付けます。
もう一つが、祝儀肴のひとつ黒豆。大鉢に盛られる黒豆です。昭和28年、NHKの試験放送であった「きょうの料理」で土井勝出演の黒豆の煮方が放送されました。以来、黒豆の煮方作り方は変わっていません。
今年も当時と同じレシピで作ります。
ある時代から、重箱のおせち料理を作り、作らなくなったお家のお正月料理を届ける事になりましたが、その時のお料理もほとんど変わっていません。時代が変われど、12月のお料理、1月のお料理を変える必要はありません。毎日食べても、飽きないお料理、、それが家庭料理なのです。
黒大豆の煮かた
材料: 黒大豆 300g 砂糖 250g 重曹 小さじ1/7 塩 大さじ1/2 醤油 カップ1/4 熱湯 10カップ さび釘(マッチの軸) 10本くらい
作り方
- 深い鍋(シチュー用が良い)に分量の熱湯、砂糖、醤油、 塩、重曹、さび鉄をガーゼで包んでいれ、洗った黒大豆 300gを入れて5時間以上つけておきます。(12/29 午前 中迄に)
- ①を強火にかけ沸騰したら火を少し弱め、黒いアクを ていねいにすくい、ふきこぼれそうになったら水1/2 カップを入れ煮立ちを止め、アクをすくい、次に沸騰すれ ば再び水1/2カップを入れ、さらにアクをていねいに取 ります。
- 次に落とし蓋をしてさらになべ蓋をし、ごく弱火で8 時間以上静かに煮ます。 ※煮汁が黒大豆にひたひた位に煮るのが理想です。もし 8時間より早く煮詰まった場合は火が少し強かったので 水又は湯を足し、さらに足りない時間は煮ます。又、煮つ まりが足りない時は更に時間をかけて煮る。煮上がれば 一晩煮汁につけて、味を含ませます。 ※2袋(600g)を煮る場合は、調味料や重曹は倍にします が、湯は12カップで。
豆は選び方が大切です。
よくふくれて実がこえているもので粒が揃ったものが よく、虫喰いや傷のないものを選びましょう。
お料理プロデューサー 土井 敏久
日本の家庭料理・郷土料理の地域の食生活文化向上を目指し実
践研究型教育プログラムや食生活文化ビジネスのプラット
フォームを主宰。店舗(CSC)展開・商品リサーチ販売・交流勉強
会・提携連携会議・女性の産業雇用創造を行う。