あたたかい食卓
〜新米の季節〜 ていねいな暮らしができる幸せ、ごはん。
透き通るように輝く新米が出回る秋は、お米の旬です。 今は料理のプロの中にさえ米を「洗う」と言う人がいます が、米は断じて「研ぐ」が正しいというのが土井勝の持論 DOISMでした。
米は腰を入れて、シャッ、シャッと音がする位研ぐ。炊 きあがったら、加減よく蒸らしてから蓋を開ける。する と、ごはんのおいしい香りが、湯気に乗って鼻をつく。水で濡らした「木杓子」で、切り混ぜながら「おひつ」に 移します。「よく絞ったふきん」で、二重葢。おひつから湯 気と香りが、たちのぼっているうちにいただく。お茶碗にはごはんを盛るので無く、「装う」。
単に「器に盛る」「入れる」でなく、「見た目を綺麗にす る、美しく装う」。一杯のお茶碗にしゃもじで2度3度に 分けて「よそう(装う)」のです。「装う」には「見せかける」だけでなく、「身なりや外観を 整える。美しく飾る」の意味もあります。
ひと粒ひと粒に艶がある、おいしいご飯を食べるため、 ていねいにこだわる、これが最低条件です。両手を添えて「どうぞ」と、白いごはんがいちばんと、毎 日秋を味わえる。
おいしく食べる為に、ごはんの食感や硬さを知る。その 為に、炊くお米の下処理水加減を知ること。基礎を試し て、次炊くとき から、米と好み に合わせて水加 減を調整する。 以下の「ご飯の 炊き方の基礎」 を参考にして やってみてくだ さい。
ごはんの炊き方の基礎(お米の下処理)
研ぎ方
研ぐ容器は側面と底が直角になったものがよく、底の丸 いボール等は適さない。
1. 最初の2回は水をたっぷり加えて軽く混ぜ、手早く洗 い流す。
2. 米を手前に寄せては、力を入れ手首全体を使って押 す。 米を回転させるようにして研ぐ。
3. 水を加えて混ぜ流して研ぐ。水がにごらなくなる3~4 回繰り返す。
水加減
研いだ米は、ザルにあげ、30分~1時間おいたものを、洗 い米という。 洗い米は、必要な水分 を吸収して、新米で1割 ほどカサが増える。 炊く為の水は、洗い米 と同量の水加減にして 炊く。
お料理プロデューサー 土井 敏久
日本の家庭料理・郷土料理の地域の食生活文化向上を目指し実
践研究型教育プログラムや食生活文化ビジネスのプラット
フォームを主宰。店舗(CSC)展開・商品リサーチ販売・交流勉強
会・提携連携会議・女性の産業雇用創造を行う。