食育コラム~食べることから学ぶ~ ご自身の自然治癒力を高めましょう
新型コロナウイルス感染症の流行は一旦落ち着きつつあります。県外移動自粛が全面的に解除になり、世の中も少しずづ動き始めました。しかし、これでこの感染症が終息したことではありません。第二波、第三波の可能性も指摘されています。そこで、大事になってくるのが『免疫力』です。例えば、インフルエンザにかかる人と、かからない人がいます。予防接種を受けたにも関わらずかかってしまった。それはなぜでしょう?それを紐解くカギとして「免疫力の差」があげられます。良いと思ってしてる事が、実は感染リスクを高めてしまう!?意外な落とし穴を、ウイルス学研究者の本間真二郎先生の最新ご著書よりご紹介させていただきます。
からだの防衛にかかわる常在菌、“過度な手洗い、除菌“が感染リスクを高める
皮膚は粘膜ではありませんので、傷がない正常な皮膚は、特殊な病原体でなければほぼ完璧に感染(からだへの侵入)を防ぎます。手についたが、それが口や目などの粘膜に降れる前に手を洗う、消毒することは感染を防ぎ、病気をおこす病原体を積極的に攻撃し排除して防ぐという観点です。しかし、一方で過度な石鹸の使用や消毒をし過ぎることは、皮膚自体や皮脂、皮膚の常在菌には大きなダメージになります。
手だけでなく、まわりのものの消毒では、環境(空気、水、土、その他)の常在菌や生態系を破壊してることにも繋がります。では、自分の防御力を上げる、適度な手洗いをご紹介致します。
- 外出から帰宅した時
- 食事を作る前や食べる前
- トイレの後
- あきらかに汚れた場合 など
最大の感染予防対策は、腸内環境を元気にする生活
自分の防御力を上げれば、感染症やほかの病気にもかかりにくくなりますし、人にうつすことも少なくなりますし、環境にも悪影響を与えません。本来、自分のからだの内も外も微生物だらけであり(人の細胞は約37兆個、腸内細菌は約100兆個)、人はそれらの微生物と共存している生物です。それらの微生物が人の健康にとって最も大事なのです。普段から免疫力、抵抗力を上げておくうえで、腸内環境がとても重要なカギになります。
- 水分をよくとる(食事以外のときに)
- よい塩(ミネラルが多い天日海塩がいいでしょう)
- 唾液をたくさん出すようにする
- 食べすぎない
- 地産地消で旬のものをとる
- 精製食品、加工食品をとらない
- 食物繊維をとる
- 発酵食品をとる
- よく噛む
免疫力、抵抗力を下げる原因
- 睡眠不足、昼夜逆転生活(7時間前後の睡眠を確保する。子供は9時間)
- ストレス(ストレスはビタミンCを消耗します)
- 腹八分目を心がける(白血球の働きが弱まる)
- 冷たいものを食べない(腸が冷えると善玉菌が減り免疫機能が低下)
- 砂糖の取りすぎ(白血球の効力が落ち、ビタミンCを消耗)
- 喫煙(1本吸うと25mgのビタミンCを消耗する)
- お酒は控えめに(血液中のNK細胞が減少する、抵抗力が下がる)
おすすめ書籍
感染を恐れない暮らし方
著者:本間真二郎医師
2001年3年間、NIH(アメリカ国立衛生研 究所)にてウイルス学、ワクチン学の研究 学者で、現在那須烏山で「七合診療所」 の所長として勤務。自然派医師が実践す る自然に沿った暮らし方をされています。
布施 元子 先生 (調理師・食育指導士・食育トレーナー・健康管理士・睡眠推進員)
京都市北区在中。10歳男児の母。東日本大震災を体験し『食育』の伝承【食べることは、生きること】を通して丈夫な身体作りの活動中。