食育コラム〜「賢い食べ方」で、高血糖さようなら〜
師走、今年はコロナ感染症の広がりを受け、クリスマス会や忘年会など縮小規模と思いますが、この時期は何かと美味しいものを普段の時より食べる機会が多いのではないでしょうか?気になるのが『高血糖』。成人の5人に1人が糖尿病、もしくは糖尿病予備群と言われる日本。ほっておくと糖尿病の合併症(腎不全・神経障害・視覚低下、失明)を発症してしまうことも。そんな糖尿病を生み出す大きな原因のひとつが「高血糖」なのです。また、日本人は遺伝的な要素も深く関係しているので、血縁者に糖尿病の人がいる場合は特に注意が必要です。そこで、少し食べ方を意識することで、血糖値を急上昇させない“降”略法をお伝えします。
①食べる順番が決め手!『ベジタブルファースト』
血糖値を急上昇させないコツとして、食事の最初に野菜や海藻類・きのこ類といった、糖質量が少なく食物繊維の多いものを食べる。食物繊維には糖質の吸収を抑え、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があるとわかってきました。
〈Point〉野菜の中でも、とうもろこし・かぼちゃ・レンコンは糖質が多いため、食べるときはご飯の仲間として考えましょう。
②よく噛むことが大切!『ごはんまで10分』
よく噛んで、ゆっくり食べることで満腹感が高まり、食べ過ぎが防げます。それは、よく噛むことで血糖値を低下させたり、満腹感を得やすくして食欲を抑えたりするホルモンが分泌されるためです。理想は、野菜のおかずを食べるのに5分、肉や魚・卵・大豆食品などたんぱく質のおかずに5分かけ、ご飯は10分以上たってから食べるように心がけましょう。ゆっくり味わいながら食べることで、食べ物本来の美味しさに気づくこともできるでしょう。
〈Point〉脂質の取りすぎにならないように、魚や大豆製品を中心に選びましょう。
③強い味方!食物繊維のチカラで消化を穏やかに!
毎日のおかずは、不足しがちな食物繊維がとれる野菜、海藻、きのこ類を中心に組み立てましょう。食物繊維をとることで胃の内容物のかさが増えると、胃から小腸への移動がゆっくりになります。その間に水分を含んで内容物がふくらむため、糖質の吸収が穏やかになります。
二十四節気の一つである冬至(今年は12月21日)。昔から冬至は「太陽がよみがえる日」とだと信じられていました。冬至にむかって日は短くなっていきますが、昔の人は「太陽の力が弱くなるとき、人間の魂もおとろえる」と考えていたのです。しかし、「冬至を過ぎれば太陽はよみがえり、人間の魂にも精気が戻って来る」とされていました。また、冬至に【ん】のつくものを食べると幸運になる、という言い伝えもあり、冬至に季節の旬のかぼちゃ(なんきん)や邪気を払うとされている小豆などを食べて力を回復し、冬至を乗り越えようとした習慣が今でも残っています。
※特に、縁起が良いとされている【冬至七種】…南京(カボチャ)・人参・蓮根・銀杏・金柑・寒天・饂飩(ウンドン・ウドン)
【血糖値さようならレシピ】
そば寿司
材料(2人分)
そば(乾燥)70g、卵1個、桜エビ(干)2g、青のり小さじ1、油小さじ1、ほうれん草1株、人参1/4本、調味料(醤油大さじ1/2、みりん小さじ2、酢大さじ1)焼きのり2枚
作り方
1、そばは表示通り茹で、流水でしめてザルにあげておく。
2、卵を溶き、桜エビと青のりを入れてよく混ぜ、卵焼きを作るように焼く。
3、ほうれん草は根元がついたままよく洗い、少量の塩(分量外)を加えた湯で茹で、水にさらしてよく絞り、根元を切り落とす。4、人参は皮をむき、拍子木切りにして茹でる。
5、1に調味料を合わせ合わせたもので和える。
6、のりを広げ、5、2、3、4を芯にして巻き、切って盛り付ける
変わりおろし和え
材料(2人分)
大根2cm、わかめ(乾燥)1g、人参1/6本、こんにゃく10g、水煮大豆6g、調味料(醤油・砂糖各小さじ1、みりん小さじ1/2、昆布だし大さじ4)
作り方
1、大根はすりおろす。わかめは水でもどし、食べやすくきる。
2、人参は、小角に切る。こんにゃくは小角に切り下茹でする。
3、2に大豆を鍋に入れ、調味料を加えて煮て、冷ます。
4、1と3を混ぜ合わせて器に盛り付ける。
※緑色の文字は血糖値を上昇させにくいGI値の低い食品です。また、食物繊維やミネラルの多い食品。よく噛んで、満腹感が得やすい。
布施 元子 先生 プロフィール 京都市北区在中。
調理師・食育指導士・食育トレーナー・健康管理士・ 睡眠推進員
10歳男児の母。東日本大震災を体験し『食育』の伝承【食べることは、生きること】を通 して丈夫な身体作りの活動中。