第4回 キャリアを考える
田中晶子
シニア産業カウンセラー/ 2級キャリアコンサルタント技能士
キャリアの話 4回目
最近、働き方改革で残業が制限されている企業が多いようです。大阪の地下鉄は17時~18時がまるで、朝のラッシュのように混み合っています。その反対に、以前であれば混んでいるはずの21時頃は以前よりかは空いています。電車の中で、会社帰りの人たちが話していることを小耳に挟むと「職場で帰れ、帰れと言われるから」とのようです。この人たち、言われないときっと、もう少し職場に残っているかもしれないと、思わず、顔を見ながら思いました。私は、早く帰ったほうが良いと思うのですが、企業で働く人の相談をしていると、人により様々な答えが返って来ます。
また、副業、兼業も可能になったので、趣味を活かして少しお小遣いを稼いでいるという声も聞きます。会社で働いているときより生き生きして見えます。
さて、皆さんは今の仕事はどのように見つけましたか?今回は仕事との遭遇について一緒に考えてみましょう。今の学校教育のなかで小学生は「親の仕事」について作文を書いたり、職場見学をしたり、中学生になると自分がやってみたい仕事に近い職場で実際に体験してみたり、高校生では将来の仕事を目標においての進学か実社会への就職かで自分の進路を決めることになります。その時は真剣に悩んで入った会社ですが、最近の調査では30代の58%が異業種への転職経験があると答えています。実社会で仕事を経験しながら自分の能力、経験、生活状況にあった職場を探している人が多いということが判ります。
私の知人で50代後半になり定年後の仕事を考えて、キャリアコンサルタントの資格を取るために講習会に参加していた人がいます。講習会の帰りに京都の駅でバッタリ、以前一緒に働いていた人と出会いました。今、何をしているのかという話になりキャリアコンサルタントを目指して勉強している話をすると、先に会社を辞め自分でコンサルティング会社を運営していたその知人からキャリアコンサルタントを探しているので来ないかと誘われて今は定年より少し早く退職、定年のない職場で知人の仕事を手伝っています。
「キャリアは予期できない偶然の出来事によって決定される」という、クランボルツの言葉がピッタリの出来事です。この話が一例ですが、実りある想定外の出来事、チャンスはどのように作りだしたら良いのでしょう。この人の場合は予期しない出来事は駅で知人に出会ったこと、自分が仕掛けていたことは、キャリアコンサルタントになれたら良いなぁと思い学んでいたことと言えます。偶然を味方につけ、望ましい偶発的な出来事を自分から仕掛けていくことが大切です。普段からこのチャンスを作りだすために行動しておきたいことを提案します。
- 1 ネットワークをつくり、様々な人と交流、新しく出会った人と話をしてみましょう。
- 2 自分が興味をもっていること、やりたいと思っていることを他者に話してみましょう。
- 3 自分が仕事にしたいと考えている分野で頑張っている人にその分野の質問をしてみましょう。
- 4 自分が興味のある分野でボランティアをしてみましょう。
- 5 自分の知識、能力を高める講座を探して学びましょう。
- 6 自分の名刺を作っておき、渡した時に質問をしてもらえるようにしましょう。
- 7 自分が一貫して、こうしたいと言えるようにしておきましょう。
- 8 いつも通る道ではなく、たまには違う道を歩きながら目に入ってくる新しい情報を得ましょう。
フェイスブックで情報を発信したりキャッチしたりできるので皆さんはもうすでにコミュニケーションの拡大はできているかもしれませんね、実際に足を運んでその場に行き人と出会うことが重要と思います。事実、自分の関心、興味が決まってくると同じ街を歩いていても目に入ってくる情報が違ってくることがあります。何で今まで気付かなかったのかと思いますが、それは自分が興味がなかったので見えてなかったということに気づくと思います。
皆さんのチャンスはいろいろなところにあります。是非自分の方にチャンスを引き寄せるように行動してください。