元気なカラダ作り
空気が澄んで高くなった空を仰げば鰯雲。開け放した夜のドアの向こうからは、虫の音が聞こえてくる季節ですね。朝晩の気温は涼しくなり、日ごとに濃厚になってゆく秋の気配を感じつつも、終わりゆく夏に後ろ髪をひかれ、しばし感傷的な気分になる、そんな日もあるでしょうか?
秋の果物 実りの秋
夏から秋にかけては、口からあふれんばかりのたっぷりの水分を含んだ果実の食べごろがまだまだ続きます。 お盆を過ぎた頃に食べごろを迎えるのが、ぶどうと梨、また、イチジク、柿、洋梨、みかんにリンゴと実りの秋の果実 が次々をやってきます。
そこで今回は、無駄なく!切り方のコツで栄養アッ プ!!をご紹介いたします。
〜リンゴは「スターカット」でビタミンEが4倍摂れる!〜
「1日1個のリンゴは医者いらず」と言われるほど栄養 価が高いリン ゴ。85%が水分のリンゴは、 残りの15%の 実や皮に凝縮 された 、カルシウムやビタミンCが含まれています。これらの栄養素をいかに体に届けるかが大きなポイントです。大事なのは、食べられる部分をムダにしない「切り方」です。縦切りの場合、皮だけでなく芯や種 の周囲も切り取ってしまうため栄養が一番詰まっている部分を25gも捨ててしまうことになります。
しかし、これを横に輪切りにすると、捨てる部分がたった3g!約8倍も食べられるんです!!薄切りにすれば皮も気にならず、リンゴの芯の周りにある蜜も、美味しく、 残さず食べることができますよ。
★リンゴの変色にはハチミツ水に30秒浸すのはオススメ
リンゴは切ってからしばらく経つと、切り口のポリフェノールが空気にふれて酸化し、変色してしまいます。 変色防止として塩水やレモン水に浸ける方法が知られていますが、実は真水に浸けた方が酸化は進まなかったという実験も。他にはパセリの茎を水に入れて浸けても酸化が抑えられてるという結果が。ただ、味はパセリ味に …。変色防止なら、ハチミツのペプチド化合物が酸化を防 ぐため、ハチミツ水に30秒ほど浸けるのが最強です!
★皮ごとが絶対お得!
リンゴは皮ごとならカリウムは約2倍、ビタミンEは 約4倍もお得なんです!身を守る皮には、ポリフェノー ルが含まれていて、アンチエイジングや育毛の効果が期待できます。
〜柿は生より干し柿でがん予防効果を4倍に!〜
秋の味覚・柿は 、栄養素のバランスがとってもいい果物です 。体の中と外からキレイにしてくれるビタミ ン・ミネラルが豊富ですが、オススメなのは生の柿より 「干し柿」なんです。干すことで甘みが4倍にも増すので、 おいしく食べられるのはもちろんですが、がん予防効果 のβ-カロテン量も3倍に、食物繊維はあらゆる果物の中でもトップクラスを含有!1日2個で、必要量の半分が 摂れることに。ただし、干すことでビタミンCは消失するのでご注意を!
★柿が赤くなると医者が青くなる!
ビタミンが豊富で、むくみを防止するカリウム、コレステロール値を低下させる食物繊維が豊富な柿。デトックスやアンチエイジングにも最適です。
★タンニンは体にいい?悪い?
柿に含まれる渋み成分・タンニン。アンチエイジング効果や高血圧や脳梗塞予防効果がありますが、便秘の人には逆効果の場合もあるので、食べ過ぎには注意が必要です。
布施 元子 先生 プロフィール
調理師・食育指導士・食育トレーナー・健康管理士・ 睡眠推進員
京都市北区在中。10歳男児の母。東日本大震災を体 験し『食育』の伝承【食べることは、生きること】を通 して丈夫な身体作りの活動中。