本多先生の「子育て&自分育て」コラム5
みなさんはどのような年末年始を過ごされましたか?
関西生まれの私は,お雑煮を白味噌ベースで作ります。東北のお雑煮は醤油ベースが多いので,「お雑煮は白味噌でしょ」と譲らない私と「なんでうちだけ白味噌なの?醤油味がいい」と騒ぐ息子たちで,正月早々大喧嘩が始まります。喧嘩になることがわかっているのだから醤油ベースに変えればいいのですが,30年経った今でもこだわり続けています。
住む場所によって様々なことが異なります。お雑煮の味付けなんては微々たるもので,人との距離感や言葉遣い,子育ての方法や考え方,子育て観や教育観等,様々なことが違っています。その変化が自分にとって心地よい変化だといいのですが,変化を受け入れることができなかったり何となくしっくりいかなかったりするのではその場にいることが辛くなる一方です。変化を受け入れることのできる許容範囲は一人ひとり異なります。たとえ親子であっても感じ方は違うのです。
昨年,中高生の子どもたちと一緒にフィリピンの貧困地区と呼ばれている地域に行ってきました。その地域に住んでいるフィリピンの子どもたちの生活は裕福とは言い難いものした。もちろんゲームをしている子どもは一人として見かけません。
ところが同行した子どもたちは「フィリピンの子どもたちの笑顔は心の底から湧き出ていてほっとする」「フィリピンで暮らしたい」「日本の学校と違って巣の自分でいられる」と話していました。その言葉は物珍しさや同情によるものではなく子どもたちの心の奥底から発せられた言葉でした。参加した子どもたちは,学校で辛い思いや苦しい思いをし続けていました。そういう子どもたちだからこそフィリピンの人の温かさや純朴さ,素直さを敏感に感じ取ることができたのでしょう。そしてその雰囲気や空気に居心地の良さを感じたのだと思います。
東日本大震災から7年,皆さんは様々な体験を積み重ねてこられたと思います。体験しなくてもいいことまで体験させられ,辛い日々を送られた方もいらっしゃるかと思います。そのような様々な体験を振り返った時,どのような場所や時間に居心地のよさを感じられましたか?そういう場所を求めてこれからの生活を立て直されてはいかがでしょうか?